実際の生活をしていると、「表面が滑らかで非常に熱い」という物に遭遇することがあります。
それが本来の仕事であるホットプレートやフライパンはいうまでもないのですが、「コンクリート」「車のボンネット」「自転車のサドル」といったものも、真夏の酷暑時においてはそれに該当します。
むしろこれらは炎天下においては調理器具に匹敵する尋常でない高温になっており、不用意に触ると火傷する可能性があります。
そしてそういう「表面が滑らかで非常に熱い」物を見ると、私はふと「ここに生卵を落としたら白身が固まるだろうな……」と思うのです。
夏場は太陽エネルギーがポピュラーなわけですが、これは長時間点けた後の蛍光灯でも同じです。
あれは意外と熱いものであり、生卵を落とすともしかして白身が固まるのではないか?という妄想を抱かずにはいられません。
あんな細い管に卵を落としてどうするんだ? と思われるかもしれません。
私も冷静な今はそう思います。しかし、いざその状況になると妄想してしまうのです。
片思いに似ています。
不思議なことに、「お好み焼きのたね」や「ホットケーキのたね」を落としてみたいと思うことはほとんどありません。
私の中の私が(それは無理だ、それは固まらない)と言っているからのような気がします。
(固まっても焦げ目はつかないぞ、おいしくないぞ)と言っている可能性もあります。
もっとも卵だって蛍光灯に落として焼いてみてもおいしくないに決まっているのでやや矛盾している気もします。
そんな蛍光灯に対し、最近流行りのLED電灯はあまり発熱しないといいます。
今後LEDが主流になってしまうと、発熱具合を確かめて熱い熱いと喜んだり、いろいろ焼いてみる妄想をしてみたりといったエンターテイメントがなくなってしまうわけで、寂しいことこの上ありません。
どうにかならないものでしょうか。